スタンラン「黒猫一座の巡業」シャノワール

「ル・シャノワール」のポスター

スタンラン「黒猫一座の巡業」シャノワール
スタンラン「黒猫一座の巡業」シャノワール 1896年

黒猫一座の巡業

通称「ル・シャノワール」とよばれるこの作品は日本では「黒猫一座の巡業」とも呼ばれます。
描いたのは、猫の画家として有名なテオフィル=アレクサンドル・スタンラン、スタンラン(1859~1923)、スタンランはスイス生まれの画家ですが、主な活動はパリで行っておりました。

このポスターは、パリのモンマルトルにあったキャバレー「ル・シャノワール(黒猫)」の巡業公演を告知するポスター

画像上部から

Prochainement 近日上演
Tournée 巡業
CHAT NOIR  黒猫(キャバレーの名前です)
Rodolphe Salis ルドルフ・サリ(キャバレーのオーナー名)

黒猫の光輪にはMont-joye Montmartre モンジュワ・モンマルトルと描かれていて、中世の掛け声(鬨)でモンジュワ・サンドニが用いられたことがあったことからも、これはモンマルトルで殉教したパリの守護聖人サン・ドニにかけたものと思われます。

5つあるシャノワールのポスター

5種類のシャノワール



まずこれらの作品はすべて1896年のオリジナルの作品で、用途が違います。

大きさはAは1メートルを超える大型でBがおおよそその半分中型になります、ただしパターンA3は地方巡業の広告ではなく、キャバレー「ル・シャノワール」のお店そのものの広告で、街中に貼るポスターと、宣伝に配る用のチラシの2種類が存在しています。

パターンA1は赤枠のRodlphe Salis の右上がDEになっています。
 近日上演 ロドルフ・サリのシャノワールの巡業  

パターンA2はA1のDEがAVECになっています。
 近日上演 ロドルフ・サリとシャノワールの巡業

パターンA3はProchainementの文字とTourneeが抜けほかの内容になっています。
1896年 再オープン キャバレー・シャノワール 1896年10月3日、高名なシャノワール劇場 1896年10月6日 ヴィクトル・マッセ通り

パターンB1はProchainementの文字が大きくなり、Chat Noirの字体も変わり、内容が増えます。
 近日上演 ロドルフ・サリとかの有名なシャノワール一座 シャノワールの有名な影絵劇 シャノワールの詩人 シャノワールの作曲家 

パターンB2はB1のProchainementの文字がCe Soirに代わり、AvecがDeになります。
 今夜の演目 ロドルフ・サリのかの有名なシャノワール一座 シャノワールの有名な影絵劇 シャノワールの詩人 シャノワールの作曲家 

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ロビダ「シャノワール外観」
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美術画廊「リボリアンティークス」

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