リボリアンティークスとは
出会いの一枚に、文化のまなざしを。
美術館では出会えない「紙の芸術」が、いま再び、あなたの手元に。
「100年前のフランスで、人々の心を動かした一枚を、あなたの暮らしへ。」
ABOUT US – リボリアンティークスについて
美術とは、誰のために、誰の手で生まれたのか。
リボリアンティークスは、19世紀末ヨーロッパの版画やポスター作品を専門に取り扱うギャラリーです。
私たちは「版画」という芸術形式に、深い敬意と美術史的な価値を見出しています。
版画は、一人の画家による表現ではなく、摺師や印刷所、出版者といった職人たちの手によって成り立つ、**“分業による芸術”**です。
またそれは、美術館の壁に飾られるものではなく、街角や劇場、雑誌の紙面を通して、大衆の手に届けられた文化のかたちでもありました。
リボリアンティークスでは、この「複製されたからこそ広がった芸術」を、
再び現代の暮らしの中で体感していただけるよう、選び抜いた作品をお届けしています。
なぜ19世紀末なのか
都市と芸術が、もっとも濃密に交差した時代。
ベル・エポックと呼ばれる19世紀末のヨーロッパでは、芸術が街を彩り、文化が暮らしに息づいていました。
ポスターは大通りを鮮やかに飾り、雑誌や新聞は挿絵とともに知識と詩情を届け、人々はカフェや劇場で芸術に触れました。
その表現の中心にあったのが、リトグラフや木口木版などの版画技術によるメディア芸術です。
さらにこの時代には、日本の浮世絵や工芸に深く影響を受けた「ジャポニスム」の潮流がフランス芸術に広がり、
日本とヨーロッパの美意識が交差する、歴史的にも稀有な瞬間が生まれました。
リボリアンティークスでは、こうした芸術と思想が交錯した時代の「証言」としての版画に着目し、
その魅力を資料性とともにご紹介しています。
Our Roots – 創業と歩み
受け継いだのは、“職人への敬意”でした。
リボリアンティークスの原点は、東京・銀座にて「銀座東京羊羹」として営んでいた和菓子店にあります。
江戸時代の職人技術を今に伝えることを理念とし、手仕事の美しさと技の継承を大切にしてきました。
その精神は、美術の分野にも自然とつながっていきます。
摺師、画工、版元──複数の職人が力を合わせて仕上げる19世紀末の版画には、和菓子づくりと通じる共同制作の精神と審美眼の連鎖が息づいています。
また当時より、大英博物館や東京国立博物館などの文化機関への作品貸出協力を通じて、芸術・歴史資料の保存と発信にも取り組んできました。
羊羹から美術へ──
分野は異なっても、「手から手へ、美を伝える」という理念は変わることなく受け継がれています。
創業77年のあゆみ(1948年〜)
1948年、東京・三田にて創業。戦後間もない時期から、西洋美術と日本の生活空間をつなぐ役割を担ってきました。現在は、三田「札の辻」にて、作品展示と来店予約制のギャラリーを運営しています。
Message from the Founder – 代表者の声
版画の前で、立ち止まる人がいる世界を。
美術館で油彩画を眺めながら、いつも心のどこかで引っかかっていたことがありました。
なぜ版画は、こんなにも静かに、脇に置かれているのだろう──と。
けれど実際に出会った19世紀末の一枚には、画家だけではなく、摺師や印刷所、版元たちの名もなき手が宿っており、
まさに都市文化を映す“生きた証言”としての力がありました。
私たちは、美術を単に所有するものではなく、語り、飾り、共有しうる文化として捉えています。
かつて和菓子の中に物語を込めてきたように、いまは版画という紙の芸術を通じて、
美術史の中で埋もれてきた「ひろがる芸術」の魅力を再び伝えていきたいと考えています。
どうかこのページの先に、あなたと作品との出会いがありますように。
── 中村 大地(リボリアンティークス 代表)
文化事業への取り組み
— 美術の価値を広く、深く伝えるために —
リボリアンティークスでは、美術館や研究機関との連携を通じて、19世紀末の美術作品の文化的価値を社会に広く伝える活動にも力を入れています。
- 展覧会への無償貸出
作品の一部は、美術館・博物館での企画展などに無償で貸し出し、一般公開や研究目的にご活用いただいています。 - メディア・研究への協力
テレビ・書籍・雑誌等の取材協力や、研究資料としての画像提供・文献紹介も行っており、学術的な美術理解の一助となるよう努めています。 - 文化財としての保存意識
アール・ヌーヴォーやベル・エポック期の作品群は、単なる商品ではなく、未来へ受け継ぐべき文化的財産であると考えています。保存状態や由来にもこだわりながら、後世へと手渡していきます。
作品を売るだけでなく、伝えることも私たちの使命です。
主な展覧会貸出
- 【特別展写楽】 東京国立博物館
- 【喜多川歌麿展】 大英博物館 千葉市美術館
- 【役者の個性に迫る 写楽・豊国大首名品展】 平木浮世絵美術館
- 【粋人たちの贈り物 江戸の摺物】 千葉市美術館
- 【文字絵と絵文字の系譜】 渋谷区立松濤美術館
- 【今昔文字変化】 板橋区立美術館
- 【大写楽展】 東武美術館
- 【その名は蔦屋重三郎展】 サントリー美術館
- 【写楽と歌麿江戸の浮世絵展】 日本橋三越本店七階ギャラリー 山梨・櫛形町立春仙美術館 沖縄 浦添市美術館 大阪近鉄アート館 名古屋三越栄本店 三越高松店
- 【もじえもじ~文字が絵になる、絵が文字になる~展】 徳川美術館
- 【サラ・ベルナールの世界展】 群馬県立近代美術館 堺アルフォンス・ミュシャ館 箱根ラリック美術館 いわき市立美術館 横須賀美術館 渋谷区立松涛美術館 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
- 【自転車のある情景展】 徳島県立近代美術館 八王子市夢美術館
- 「デミタスカップの愉しみ」展 美術館「えき」KYOTO 群馬県立近代美術館 渋谷区立松涛美術館