フランス、パリのジュ・ド・ポーム美術館にて1929年に開催された「日本美術展ー現代の古典派」のポスターであるこの作品において藤田嗣治は、鳥居清倍風の美人を描き、彩色も紅絵のような色使いである。
女性と猫というモチーフの取り合わせは源氏物語の「若菜上」を彷彿させ、女三ノ宮の見立てともとれるだろう。
同展覧会のカタログも藤田は手掛け、子供が日本美術と筆で書いていおり後ろには猫が寄り添って座っている図を描いている。この展覧会のカタログには藤田以外にも鏑木清方の「築地明石町」などが写真付きにて掲載されている。
またこの展覧会の様子は黒田鵬心の『巴里の思井』(昭和31年刊行)に書かれています。