ジュール・シェレ 2つの「ムーラン・ルージュ」1889年と1891年

1889年

ジュール・シェレ「ムーラン・ルージュ」1889年
ジュール・シェレ「ムーラン・ルージュ」1889年

「ポスターの父」とも呼ばれるフランスの画家ジュール・シェレが1889年に描いた作品「ムーラン・ルージュ Moulin Rouge」

エッフェル塔が建設された年と同じ1889年にモンマルトルに開店したキャバレー「ムーラン・ルージュ」の開店を告げるポスター。ムーラン・ルージュとはフランス語で「赤い風車」、このポスターでは中心の赤い風車に向け皆が向かっていく様子を軽快に描いています。

このような軽快に描かれている女性は「シェレット」と呼ばれ、シェレが描く女性の代名詞となります。しかしシェレットとは特定のモデルがあるわけではなく、当時斬新であったシェレが描く軽やかな女性全般にもちいられる呼称になります。

1891年

ジュール・シェレ「ムーラン・ルージュ」1891年
ジュール・シェレ「ムーラン・ルージュ」1891年

こちらは上記の作品の2年後の1891年に描かれた作品、描かれている女性は髪型やカンカンと書かれていることなどからムーラン・ルージュの人気ダンサーである「ラグーリュ」と思われます。1891年はトゥールーズ・ロートレックの「ムーラン・ルージュ・ラグーリュ」も製作され、メインに描かれている女性が同じことから当時のラグーリュの人気がうかがえます。

シェレの「ムーラン・ルージュ」が写っている写真

ムーラン・ルージュに飾られているシェレのポスター(左端)
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>美術画廊「リボリアンティークス」

美術画廊「リボリアンティークス」

19世紀の絵画・版画・リトグラフなどアール・ヌーヴォーやアールデコの作品を多数扱っております、JR田町・都営三田駅徒歩4分、札ノ辻交差点角

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