2022年4月9日(現在は展示終了しています)
寛政6年(1794年)の4月9日に浜御庭、現在の浜離宮恩賜庭園で行われた第11代将軍、徳川家斉の上覧相撲の様子を「葛飾北斎」(当時、勝川春朗落款)が描いた浮世絵です。
奥の力士は大相撲でも人気の力士「雷電為右衛門」、手前の力士は「磐井川逸八」、この取組はお好みにより行われ、雷電が磐井川に勝ったことが当時の文人、太田南畝の随筆「半日閑話」に書かれています。
北斎といえば富嶽三十六景などに代表される風景画が有名ですが、実は大相撲の人気力士「雷電為右衛門」も描いていました。
次は、同じ上覧相撲の様子を描いた勝川春英の浮世絵
描かれている力士は
左図より常山 千田川 熊山 逢ヶ関 出羽海 錦木 鶴渡 雷電 谷風
右図に千賀浦 鬼勝 高根山 伊勢濱 雷電 和田ヶ原 勢見山 玉垣 陣幕 小野川
おそらく中央は谷風と小野川と思われますが、実際は小野川は病気のため欠場したため谷風は九紋竜と対戦しました。このことから当時の浮世絵は実際の取り組みを見て描いたわけではないことがわかります。
お越しいただいた皆様、誠にありがとうございました。