- 1 サロメ概要
- 2 あらすじ
- 3 挿絵紹介
- 3.1 初版本13図
- 3.1.1 1: 月の中の女 THE WOMAN IN THE MOON
- 3.1.2 2: タイトルページ
- 3.1.3 3: オーブリー・ビアズリーの挿絵リスト
- 3.1.4 4: 孔雀のスカート THE PEACOCK SKIRT
- 3.1.5 5: ブラック・ケープ THE BLACK CAPE
- 3.1.6 6: プラトニックな嘆き A PLATONIC LAMENT
- 3.1.7 7: へロディアのの入場 ENTER HERODIAS
- 3.1.8 8: ヘロデの目 THE EYES OF HEROD
- 3.1.9 9: ベリーダンス(7つのヴェールの踊り) THE STOMACH DANCE
- 3.1.10 10: サロメの化粧 THE TOILETTE OF SALOME
- 3.1.11 11: ダンサーへの褒美 THE DANCER’S REWARD
- 3.1.12 12: クライマックス THE CLIMAX
- 3.1.13 13: 結末 TAILPIECE
- 3.2 初版未収録、1907年の再販から収録された3図
- 3.3 ストゥディオに掲載されたサロメ
- 3.1 初版本13図
サロメ概要
オスカー・ワイルドによる戯曲「サロメ」は当初フランス語で1893年に出版されましたが、ここではビアズリーは挿絵を手掛けてはいませんでした。しかしビアズリーはフランス語版のオスカー・ワイルドの「サロメ」を読み、「ストゥディオ」にサロメの物語のクライマックスである、サロメが盆の上にのるヨハネの首に口づけをする場面「おまえの首に口づけしたよ、ヨナカーン」を描きました。
この作品を、オスカー・ワイルドと出版社のジョン・レーン社は気に入り翌年の1894年に英語に翻訳しイギリスで出版される際に中の挿絵を、オーブリ―・ビアズリーに依頼しました。
ビアズリーが手掛けた挿絵は17図ありますが、様々な問題があり1894年の初版本には全図は掲載されずビアズリー死後の1907年版にて初めて全図が掲載されます。
リストによると1894年版に10図、1907年版には16図ビアズリーの作品が掲載されていると書かれており、6図が新規に収録されているようにとれますが、実際に新規に収録されているのは3図(座るサロメ、ヨハネとサロメ、サロメの化粧2)になります。これは1894年の初版ではタイトルページ(上記写真右部)、作品リストページ、章末のカットをリストに含めていないためです。
あらすじ
ユダヤの王であるヘロデは、自分の兄である前王を殺し妃であるヘロディアと結婚し王になります。妃の娘である王女サロメは洗礼者ヨハネに恋をしますが、ヘロデ王を非難し捕らえられているヨハネはそれを受け入れません。愛を拒まれたサロメはヨハネに口づけすることを誓います。
ヘロデ王はサロメにダンスを踊れば、好きなものを褒美にとらせることを約束します。サロメはみごとに踊り≪7つのヴェールの踊り≫、褒美としてヨハネの首を所望します。ヘロデ王は困惑しつつも約束を守りヨハネを斬首します。銀の皿にのって運ばれてきたヨハネの首にサロメが念願叶い口づけをし、愛を語ります。その様をみたヘロデ王はサロメを化け物と恐れサロメの殺害を命じます。
挿絵紹介
ここからは収録された挿絵を紹介していきます。まずは初版本に掲載された13図、そのご再販版に収録された4図、そして参考画像としてストゥディオに掲載された1図になります。